日本の予防接種は?
日本では「予防接種法」に基づいて、定期接種(公費で無料) と 任意接種(自費または一部助成) に分かれています。
ここで紹介するのは、国が推奨している定期接種のうち、生後1歳までに受ける主なワクチン です。
| ワクチン名 | 対象となる病気 | 接種回数 | 接種開始時期 |
| ロタウイルス | 重度の胃腸炎(経口生ワクチン) | 2回または3回 | 生後2ヶ月〜 |
| 5種混合(DPT-IPV-Hib) | ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ、ヒブ感染症 | 4回 | 生後2ヶ月〜 |
| 小児用肺炎球菌 | 細菌性髄膜炎など | 4回 | 生後2ヶ月〜 |
| B型肝炎 | B型肝炎 | 3回 | 生後2ヶ月〜 |
| BCG | 結核 | 1回 | 生後5ヶ月〜8ヶ月 |
👉 ポイント
- 定期接種は自治体負担で無料(費用は国・自治体が負担)。
- 接種スケジュールは自治体により細部が異なるため、必ずお住まいの自治体の案内を確認しましょう。
- ロタウイルスは2回または3回接種で、ワクチンの種類によって異なります。
マルタの予防接種は?
マルタにも National Immunisation Schedule(国定予防接種スケジュール) があり、0〜16歳 のワクチン接種が無料で行われています(マルタ市民およびEU居住者対象)。私の子供は正式にはマルタ人ではありませんが、出生届を出してマルタのID No.を持っているため無料で接種できます。
以下は 生後1歳までに受ける主なワクチン です。
| ワクチン名 | 対象となる病気 | 合計回数(1歳まで) | 標準的な接種時期(回数の内訳) |
| 6-in-1 (DTaP-IPV-Hib-HepB) | ジフテリア、破傷風、百日せき、ポリオ、Hib、B型肝炎 | 3回 | 生後6〜8週、3ヶ月、4ヶ月の計3回 |
| 小児用肺炎球菌 (PCV) | 肺炎球菌感染症 | 3回 | 生後8週、4ヶ月、12ヶ月(1歳)の計3回 |
| 髄膜炎菌B型 (Men B) | 髄膜炎菌B型感染症 | 3回 | 生後8週、4ヶ月、12ヶ月(1歳)の計3回 |
| 髄膜炎菌ACWY型 (Men ACWY) | 髄膜炎菌ACWY型感染症 | 2回 | 生後3ヶ月、13ヶ月の計2回 |
👉 ポイント
- マルタでは「5種混合+B型肝炎」の6種混合ワクチンを使用するため、注射の回数が1本分少なくなります。
- さらに、日本では定期接種に含まれない髄膜炎菌ワクチン(Men B・Men ACWY)が含まれています。
髄膜炎菌ってどんな病気?
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は、健康な人の鼻や喉にも存在することがありますが、免疫力が低下したり、人混みで感染したりすると重症化することがあります。
主な症状と重症化例
- 細菌性髄膜炎:強い頭痛、高熱、嘔吐、首の硬直(項部硬直)など。
- 敗血症(髄膜炎菌血症):血液に菌が入り込み、全身性炎症や臓器不全を引き起こす。赤い点状発疹が特徴的。
特に乳幼児や寮生活をする若年層で重症化しやすく、死亡率も高いと言われています。
日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカやヨーロッパでは公費での接種が一般的です。
主に乳幼児や寮生活でかかることが多く、死亡率も高いそう。
BCG(結核)について
日本ではおなじみの「ハンコ注射」ですが、実はハンコ式は日本独自です。
マルタでは他のワクチンと同じように、普通の注射で行われます。
マルタでは BCGは定期接種ではありません。私はこの記事の執筆にあたり初めて知りました。
ただし、以下のような高リスクの子どもには無料で接種が行われます。
BCGが推奨される高リスクケース
- 両親または本人が結核高リスク国(例:インド、パキスタン、アフリカ諸国など)出身
- 家族や同居者に結核患者がいる
- 長期間にわたり高リスク国に滞在予定
- 基礎疾患などで重症化リスクが高い場合
我が子に基礎疾患はないしまた身内に結核患者はいないので、マルタからすれば日本は結核高リスク国に値するのかもしれません。
ワクチンの受け方(マルタの場合)
マルタでは、国のヘルスセンターで無料でワクチン接種を受けられます。
初回の予約案内は郵送で届き、初回接種時に次回の予約をその場で取る仕組みです。
会場は自宅近くのヘルスケアセンターか、フロリアーナ(Floriana)の本部になります。
接種時は:
- 親の同意書にサイン
- 母子手帳(英語版)への記録
- 簡単な問診と体温測定のみで、特別な検査はなし
ちなみに、日本では「接種前後30分はミルクを控える」と言われていますが、マルタでは「泣いているならミルクを飲ませてもOK」と言われたのが印象的でした。
まとめ
日本とマルタ、同じ「予防接種」でも内容はけっこう違います。
- 🇯🇵 日本:BCGあり、髄膜炎菌なし、5種混合
- 🇲🇹 マルタ:BCGなし(高リスクのみ)、髄膜炎菌あり、6種混合
どちらも国費で無料ですが、対象年齢や時期は少しずつ異なります。
国をまたいで育児をする場合は、両国のスケジュールを照らし合わせて管理するのが大変ですが、早めの確認と記録が安心ですね。
出典:
- 厚生労働省「定期予防接種実施要領」
- 日本小児科学会「予防接種スケジュール(2024年度版)」
- Health Promotion and Disease Prevention Directorate, Malta “National Immunisation Schedule (2023–2024)”
- Primary Health Care, Malta “Child and Youth Health Immunisation Unit”


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